■6/7 東都入れ替え戦 専大vs日大■ |
※敬称略/メイン・専大 写真の一部は後日掲載
H | E | 計 | ||||||||||
日 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 7 | 0 | 2 |
専 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | × | 7 | 1 | 3 |
日)●那須野―上田
専)○深澤-近藤―柿沼
本塁打/森(S)
三塁打/照沼(S)
失策/森(S)
試合開始20分前のチケット売り場に、列ができていた。
六大学でもあまり見かけない光景だ。
球場に入ると、1塁側は、緑色の旗が3、4本ほど立っていて
控え部員はもちろん、学生、OB会らしき人でいっぱいだった。
ネット裏には、日大以外の1部校の選手達が制服姿で見ていた。
山本のタイムリーで先制を許した専大だが
4回に森がレフトへソロホームラン、すぐに同点に追い付いた。
森は、前の打席は三振。しかし、最後に3球ファールで粘りを見せていた。
つづく5回、先頭の芦沢、柿沼が倒れて、簡単に2死に追いこまれるも
そこから、9番・内田が出塁。
バッターは1番・八木。彼は桐蔭学園出身の4年生。
早稲田大学の由田、法政大学の松本祥平らと同期だ。
その八木が、7球粘ってライト前へ。チャンスを広げる。
ここにきて、那須野のいつものパターンが始まった。
那須野は、ランナーを出すと間合いが長くなり、牽制も急激に増える。
それを主審に注意されたこともあるくらいだ。
もちろんそのことも、専大の選手は知っているはずだ。
バッターは2番・照沼。1打席目はバントがサードゴロに、2打席目は3球三振。
ここまで最悪の結果(言いすぎ?)に終わっていた。
だが、粘った。那須野の間合いや牽制に対する苛立ちは無い。
とにかく集中しているように見えた。
カウント2−1から、ボール、ファール、ファール、ボール、ファール。
スタンドからも「いいぞ!」「よしよし!」という声が聞こえてくる。
この場面、とにかく球場全体の雰囲気が異様だった。
みんなが、照沼の1つ1つの動作、深呼吸や素振りなどを目で追い続けていた。
9球目、小柄な体で思いきって打った球は、左中間へ飛んでいった。
逆転2点タイムリー、3塁ベース上で大きなガッツポーズ。
照沼大、甲子園常連校の名前が響く中で、彼は無名の茨城東出身。
興味があって調べてみたが、高3夏の県大会は初戦で負けている。
(コーチに祝福される照沼大選手)
日大も黙ってはいない。7回に、またもや山本のタイムリーで1点差に。
なおも、2死2、3塁のチャンスに1番・堀。
3球目の打球がふらふら〜っと、3塁ファールグランドにあがった。
スタンドに入るか微妙な打球、3塁手・芦沢は必死に追いかけ
フェンスに激突しながらもキャッチ。日大の反撃を抑えた。
ここまで好投を続けてきた深澤も、9回2死2塁の場面で降板した。
次のバッターが、今日2打点の山本だったこともあった。
マウンドにのぼったのは、近藤。
1球1球投げる毎に「おりゃ!」という声を発する。
そういえば、深澤も声は無かったが、1アウト取る毎に
まるで大ピンチを切り抜けたかのようなリアクションをする。
専大には、熱い投手が揃っているのだ。
その近藤、ウォーミングアップではベース手前でワンバウンドするなど
なかなかストライクが入らない。
が、初球はいきなり148`。1球変化球を投げると、次は147`。
山本に投じた6球目はなんと150`を計測した。そして三振。
遂に2アウト。あと1人。バッターは代打・川戸。
カウント2−2から、三遊間を抜けるヒット。
2塁ランナー・俊足の池田がホーム目指して激走。
しかし、レフト・長谷川の素晴らしい返球と、捕手・柿見のブロックで本塁憤死。
最後の最後まで、目の離せない好ゲームとなった。
そして、専大打線の「粘り」が、印象に残った。
(最後、好ブロックを見せ、満足顔?の柿沼伸彦捕手)
<おまけ>
ヤジについて。専大側には2人ほど、叫びまくるおじさんがいた。
1塁にランナーが出ると、「あと5cm離れていいよ!!」とか
「気持ち切り替えていこう!!」「柿沼!よく考えろよ!」
「投手頑張ってるんだから、打線もいけ!」などなど。
ヤジは気持ちの良いものではない。
しかし、おじさん2人は、決して相手に対して文句を言っているわけではない。
2人のヤジに周りにいた人達も、笑っていた。
専大の試合にいつもいるのかどうかはわからないが
こんなに熱心なおじさんがいて、専大は幸せだなと思えてしまった。
2人のヤジは、ヤジとは言えず、形を変えた「声援」だった。
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