■10/5 東京六大学 東大vs慶大■

※敬称略

                    H E
1 0 0 0 0 0 4 3 0 10 0 8
1 0 0 0 4 0 0 0 11 2 9

)小田-木村-○升岡―河原
)清見-参鍋、●小林康―安藤明、菊地
  
本塁打/杉岡(T)、松田(K)
二塁打/河原(T)、菊地、早川(K)
  失策/河原、木曽(T)

 あれは早大2回戦。東大が大量15点を許し、むかえた最後の攻撃。
ある選手が「元気出していこう!!」と叫んでいた。
元気が無かったんだろう。
まだ最後の攻撃が残っていたにも関わらず
東大ベンチは、自ら配色濃厚の雰囲気を出していたように見えた。
大量失点した次の試合で、東大の真価が問われると思っていた。
このままズルズルと負け続けるのか、それとも・・・
すると、明治1回戦ではサヨナラ負け、2回戦でも9回に試合を決められるなど惜敗。
目前に迫った「勝利」を逃がし続けた。
今までの負け方とは明らかに違う。
ファンの間でも、勝利の瞬間を見れるのではないかという話が出た。
この敗戦で何かを掴んだ東大は、慶大戦をむかえた。
先日の1回戦では、結果的に中村1人にやられてしまう形となった。
あと少し、あと一押しが足りない東大。今度こそで挑んだのが、この試合だった。

 最終回、差は3点。
ここまで追いついて、逆転して。逃げ切れるかと思った矢先に
守備の乱れから、一気に逆転を許した。
だが、あのとき聞こえた「元気出していこう!」という声は無い。

1死から、6番越智がセンター前で出塁。
つづく細川も追い込まれてからの5球目をレフト前へ運ぶ。
この2人、ここまで無安打だったが最後に意地を見せた。
ムードは悪くない。
むしろ焦りを見せているのは、前節明治1回戦で2死から逆転を許した慶大だ。
鬼島監督の絶大な信頼を得ている小林康がマウンドにいる。
つづく代打の松尾は三振。2アウト。もう、あとがない。
今日も東大はここまでなのか。
勝ちを急いだ小林康は、代打藤熊の2球目を暴投。
ランナーがそれぞれ進塁し、2死2、3塁にかわる。
藤熊は四球。2死満塁。
1番太田。ボール、ボール、ファール、ボール、空振り。
太田は攻めの気持ちを忘れなかった。
受身だったら、見逃すかもしれない6球目をファール。
球は見えていた。選んだのは四球。押し出しで1点を返した。
つづく2番前原。この日の東大は前日から打順を変えている。
その1人が前原。前日では8番だったが2番へ。
その起用が当たった。1球目をファール。当たっていた。
つづく2球目をセンターオーバーの2点タイムリーに。同点だ。
むかえるは、3番杉岡。
5回には、ライトへ3ランを放っている。
1球目をファール。2球目を見逃す。追い込まれた。
投手が外すであろう3球目。球は外へ真っ直ぐ。
それを狙っていた杉岡はレフト前へ運んだ。

あまりに劇的すぎる勝利。その余韻は、その後しばらく神宮に流れていた。
打った杉岡も見事だ。3ランを含む3打点の活躍も凄い。
しかし、2死から粘ったその前のバッターたち、異様な雰囲気が流れる神宮で
平常心ではいられなかったはず。
東大は、知らぬ間にメンタル面も成長した。

慶大・鬼島監督は、後にこう振り返る。
「東大とやるのが一番嫌だった」

東大は、翌日の3回戦で負け勝ち点を落とす。
だが、河原主将は既に法政戦を見据えていた。
その表情は「やれる」という自信にあふれていた。


この写真は、まさに杉岡が3ランを打った瞬間の写真です☆
球が見えなくて残念なんですけど・・・

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