トップ大学野球観戦記>11/2 早大-慶大

■11/2 東京六大学 早大vs慶大■

 

                    H E
0 2 0 0 1 0 0 1 0 8 0 4
0 0 0 0 0 0 1 2 0 7 0 3

※敬称略/慶大側の気持ちで  特別Ver.感情移入編

)○越智、宮本―坂本
)●中根、参鍋、清見、小林康―岡崎
  
本塁打/坂本(W)、角屋(K)


三塁打/由田(W)
二塁打
/鳥谷2、田中(W)、松田、早川(K)

 試合が始まる1時間前、早稲田のマネジャーが
打撃ゲージに足をかけて選手を見つめる監督の下へ走った。
片手にはスタメン表。それを覗きに行った選手達の表情が面白かった。
左手で投球モーションを見せたり、首をかしげる選手もいた。
ふと、鬼島監督の言葉を思い出した。
「早稲田には一矢を報いたいと思っていますよ」
1回戦には、とにかくたくさんの左投手をベンチ入りさせていたが
今日の先発は果たして誰なのか・・・

 コールされたのは、1年生の中根慎一郎だった。
高校時代は深町亮介(中京大)との2枚看板で、活躍。
テンポの良い投球と、130キロ台の真っ直ぐに加え
コントロールの良い変化球を投げる、軟投派左腕だ。
公式戦初登板とは思えない立ち上がりだった。
田中の打球はつまり気味のライトフライ。
恐らく球速表示以上に球は伸びている。
緊張からか、鳥谷には死球だったが、比嘉をサードゴロにしとめた。
2回。武内、由田を打ち取り、簡単に2死。
一巡目とはいえ、幸先が不安になってしまったが
むかえるは米田。ボールはヘルメットに直撃し、「ガツン」という音が響いた。
つづく坂本。初球をいきなりレフトスタンドへ持っていった。
ベンチからは勢い良く選手達が飛び出してきた。
左が打てないなら右が打つしかない。上の二人(田中と比嘉)は凡退していたが
坂本は初球ストライクを迷うことなく振りぬいた。
早稲田が先日のような勢いで、このままいくかに思われた。
だが、中根は立ち直り、その後の3、4回と走者は出すものの
鳥谷、比嘉、武内ら主軸を打ち取った。
初登板でこれだけのピッチングなら合格点だろうと思った。


(慶大先発・中根 =11/2)

早稲田は5回、2死から青木が内野安打で出塁すると
鳥谷がライト線へタイムリー2塁打を放ち3点目を入れる。
対する慶應は、5回まで内野安打一本。
5回には、早稲田先発越智の前に3者三振を喫した。
 
 「早慶戦は何が起こるかわからないんだよねー」
先日優勝を決めた早稲田ファンのおじさんがそう話していた。
2年前、慶大の全勝優勝にストップをかけたのが
早慶2回戦だった。逆の立場となった慶大が反撃を始めた。
7回、早川が2ベースで出塁すると、6番岡崎が初球をレフト前へタイムリー。
まずは1点を返す。つづく堤野には四球、代打・仁科の打球は
越智の下へ。越智がもたつく間に、塁は埋まった。1死満塁。
打席には、代打・菊池。球速表示は146k。気合いの入る越智。
打球はレフトフライ。そして、3塁コーチャーは腕を回した。
さっき早川を刺せなかった米田。今度こそで投げたホームへの返球。
3塁走者岡崎は本塁で憤死した。
慶大の反撃はこれに終わらない。8回、松田が死球で出塁すると
今度は代打の角屋がライトへ1点差に迫る2ランを放つ。
ここで越智は降板。ベンチ奥のロッカーへ引っ込んでしまった。
後の祝勝会で「すみません!!!」と頭を下げていたのが印象的だった。
そこからは守護神・宮本だ。
140k台の真っ直ぐを主体に後続の反撃を絶った。
だが慶大は食い下がろうとはしない。
9回、先頭の岡崎がセンター前にはじき返す。堤野は犠打、仁科は倒れ
2死2塁。長打が出れば同点に追いつく場面で、打席には主将・田中雄が立った。
2球続けて強振。ボール、ファール。ベンチから、時にはコーチャーボックスから
大きな声で選手を後押ししたキャプテン。何を思ってこの打席を迎えただろうか。
最後は空振り。「早稲田とこういう試合ができて良かった」
試合後、取材攻勢にあう早稲田を、3塁側ベンチから静かに見つめていた。
慶大4年生・34名。このうち野球継続者は1名。
33人がこの日を最後にユニフォームを脱いだ。


(宙に舞う野村監督 =11/2)

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送