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習慣は才能よりも強い

札幌第一高校野球部

 地下鉄「月寒中央」駅。
ここから少し上ったところに札幌第一高校はある。
「一高」という愛称で親しまれている札幌第一。
2年前の夏の甲子園の試合が記憶に新しい。
智弁和歌山戦、最終回に3点差を追いつき延長戦にもつれこんだ。
10回に逆転され初戦敗退だったものの
初出場で強豪相手にこれだけ好ゲームを展開していたので印象に残っていた。

学校内には人工芝の室内練習場も完備。
この日は、学校から車で15分ほどのところにある専用グランドに行きました。
星野訓孝コーチが運転するワゴン車に20人ほどの部員が乗る。
「メロンパンは菓子パンだぞ!」と指摘されつつも
腹ごしらえにご飯を頬張る選手たち。
とにかく明るくて、会話が途切れることはない。
「なんか俺達、田舎のスキー客みたいだな」
思わず頷いてしまった。
雪が積もった立派な専用球場。照明設備もある。
選手達はネット裏から自分達のスキー用具を取り出し、グランドへ。

これこそ冬の練習!と感激したクロカンの始まり。
30分ひたすら滑るということで、かなり辛そう。
スキーの大会で入賞したことのある選手もいれば
「うまく滑れないっす」と苦手な子も。
吐く息の白さがいかにも北海道らしい。
札幌市とはいえ、夕方のグランド(けっこう山奥)は氷点下10℃近くまで下がる。
30分が経ち、ある程度ノルマを終えた子はあがる。
だが「もう1周!」と言われ苦しい顔をしながら走る子もいる。
「みんな疲れたフリなんですよ(苦笑)」
しかし、ちょっと小柄な宮西雄太郎主将は「まだ走ります!」と
自ら宣言。さすがキャプテンだと思いました。


両翼98メートルのグランドを何周も走る。2周しただけで差が出始める

スキーをやっている間、半分の部員は筋トレ。
顔を真っ赤にしながら「うお〜〜〜」という声が響く。

右側の彼。一高では「ボブサップ」と呼ばれている2年生、豊田崇記くん。
恐らく体重は100kgを超えており、ベンチプレスの重量もとにかく重い。
それでもクロカンは首位独走。長距離走は苦手だが、雪の上は得意らしい・・・
また「筋トレ個人シート」というものもある。
身長からペンチプレス、バックプルなど計13部門の伸び率を
偏差値、表(図式)化したものだ。(がんばりグラフ)
これがなかなか凄い。偏差値というのが高校生にとって身近な存在でもあるので
わかりやすいし、グラフもとても見やすい。
この日もらった某部員は、総合偏差値が54。
スクワットは昨年10月の64.8から10以上伸びていた。


「いらっしゃいませ〜♪」の声につられ中へ

16時から始まったグランドでの練習も18時に終わり
再び学校へ戻る。帰りの車の中もテンションは高いが
色々な高校の練習の話をコーチにすると、自然と車は静かになる。
室内練習場に戻ると、菊池雄人監督をはじめ残りの部員が練習していた。
平均台の上に乗ってピッチング練習をする子や
2つのブルペンで黙々と投げ込みをする投手陣。
今度はスキー組がトス、ティーバッティングを始めた。


本格的な投球練習ができるのは北海道球児にとって恵まれている方だ

休みはない。1日休むと体が戻るのに3日かかるという。
勉強と同じで、野球も反復練習を大事にしている。
この日はボールをしっかりと引き付けて打つよう指示された。
菊池監督は32歳と若い監督さんだ。
今、北海道の高校はこの30代前半の監督さんが多い。
先日行った北海の平川敦監督、北海道栄の渡辺伸一監督、
駒大苫小牧の香田誉士史監督と南北海道の私立だけでも
これだけいる。現役時代に対戦したライバルが
再び同じ“甲子園”という目標にむかって、今度は指導者として争う。

秋季大会は、全道初戦敗退。「弱いチーム」だと言う。
だが部員は56人と多く、春に入る1年生も良い選手が揃っているそう。
切磋琢磨から生まれる強さ、そしてこの環境を実戦にいかしてほしい。
3月末、センバツ高校野球で盛り上がっている頃
一高ナインは沖縄遠征に行く。冬場に培ったものを沖縄で磨き
そして春の北海道で発揮してほしい。


互いに教え合う光景が微笑ましい

 

札幌第一高校野球部 練習十ヶ条

一、練習とは、目的である。(すなわち目的のない練習には意味がない。)
二、練習とは、真の自主性の中から生まれるものである。
  (やらされていると感じたとき、それは練習ではない。)
三、練習とは、自分のできるプレーをできるようにするものである。
四、練習とは、良い癖をつけるためにやるものである。(習慣は才能よりも強い。)
五、練習とは、単純作業の持続であり反復練習が多いものである。
六、練習の中で、基本練習を磨く練習を自らが取り入れていくのである。
七、練習の中で、技術は人に教わるものではない、自分で習得するものである。
八、練習の中で、監督、選手、および選手同士の相互理解が育つのである。
九、練習の中で、常に集中し。全力でやらなければ、技術、精神力は身に付かない。
十、我々はすべての物事から感性を磨く。それが一番の上達の近道である。

夢七訓

一、夢無き者は、理想なし
二、理想無き者は、信念なし
三、信念無き者は、計画なし
四、計画無き者は、実行なし
五、実行無き者は、成果なし
六、成果無き者は、幸福なし
七、故に、幸福を求むる者は、夢なかるべからず
                       澁澤栄一

札幌第一高校野球部 夢七訓

一、夢無きチームは、理想なし
二、理想無きチームは、信念なし
三、信念無きチームは、計画なし
四、計画無きチームは、実行なし
五、実行無きチームは、成果なし
六、成果無きチームには、勝利なし
七、故に勝利求むるチームは、夢なかるべからず

*Special Thanks  菊池雄人監督、星野訓孝コーチ、野球部の皆さん
             この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!

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