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3連覇を目指した駒大苫小牧
〜エース・田中将大の姿〜

 「思ったように投げれていない。
力だけで、満足できる投球ができていない」
これは、夏の甲子園期間中の田中将大の言葉だ。
3年生になってからのベストピッチを聞いたら
こんな言葉が返ってきた。
では、一番最近だったらいつ?と尋ねると「神宮大会」。
そこまで遡らなければならなかった。

 センバツに照準を合わせ調整してきたが、まさかの辞退。
飲酒をした卒業生から送られてきたメールには
ごめん、申し訳ない」の文字。
チームの混乱の真っ只中にいた田中将大は
エースよりも、主将としての責務を最優先せざるを得なくなった。

 香田誉士史監督がチームを離れた3、4月。
グラウンドに監督はいないが、学校には先生としている。
選手との間に微妙な距離感がありました。
お互いにどうしたらいいんだろう、みたいな雰囲気なんです

悩む香田監督、戸惑う選手。
選手の一人はこう話す。
わけわからなかった。監督との間にヒビが入っていたとは思います。
ぎこちない空気があったんですよね

春の室蘭支部予選まで、何度も選手だけで話し合いをした。
監督いないし、この先どうするんだ?
そりゃ監督もショックだけど、俺たちのほうがショックは大きいよ
じゃあ・・・どうするの?
・・・。
そこへ、副主将の本間篤史が切り出した。
「やる気のない奴は辞めればいい。春のぶんも夏にぶつけようという
気持ちがあるんなら、切り替えてやっていくしかないよ。
よく考えたらさ、俺たちは監督がいなきゃ勝てないよ

その場にいた全部員が本間篤の言葉にハッとしたという。

それ以後、部員は誰一人辞めることなく、彼らの合言葉である
“チャレンジャー精神”を胸に、夏を目指すことになった。
そこには、今までのように愚痴をこぼす弱気な姿はなかった。
もちろん、田中もその一人。
春の全道大会では、先発にリリーフに、準決勝で負傷しようが
翌日の決勝戦で3番手登板し、優勝を決めた。
監督不在で弱くなったとは言わせたくない、そんな意地もあった。

つづく

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