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歴史を創る

ルーテル学院
      高校野球部

 熊本県熊本市。
市街地からバスで20分、部員は学校から自転車で40分のところに
ルーテル学院高校の野球部グランドがある。
中学のサッカー部が全国で優勝するなど
どちらかといえばサッカー部の印象が強い。
もとは、女子校。それが2001年に共学になった。
野球部は2002年夏の大会が公式戦初参戦となり
初戦の開新戦、8回まで1−2と善戦した。(1−6で負け)
当時からのメンバーがちょうど卒業した今年の3月に、野球部を訪ねた。
あいにく1年生は修学旅行で不在、2年生13人だけだったが
約4ヶ月以上経った今でも、このときのノックは忘れられない。

グランドに着くと、選手たちは外野でランニング中だった。
いつも30分かけているそうだが
この日は時間を計ってくれる1年生が不在・・・
思わず部室にいた松本敏郎監督も「いつまで走ってるんだ?」

昨春、監督が創部当時の松村敏明監督から
亜細亜大学出身でNTT九州で監督としても活躍された松本監督に変わった。
同時に部長先生も、必由館が甲子園に出場した(2003年)際の部長でもあった
園田松吾先生に。熊本工時代は捕手として活躍された。
「今までも楽しかったが、監督さんや部長さんが変わったことで
選手たちも“(自分たちは)強くなれるんじゃないか”と思うようになった」と
ある部員は、指揮官だけでなく選手の意識も変わったと話す。
この冬の練習はラン系の種目を中心に、特に過酷だったという。
グランド脇で選手を見つめる女子マネジャーの谷佳奈子さんは
当時を「見ていて辛かった」と振り返った。


アップの種類はかなり豊富です

いつもよりちょっと長いランニングを終えると
横一列に並んで、アップが始まった。
キャッチボールのときに、なぜかアンダースローで投げている子がいたが
「それ、オーバーでしょ」とツッコミを入れられたり
ときには、「おーい!そっちは今日は声が出てないなー」と言われたり。
熊本の高校は、どうも左胸に縦に漢字で名前を書く学校が多いようで
ルーテル学院もそうだった。
名前があると、見ている方も覚えるし、勝手だが親近感もわくものだ。
 このチームを引っ張るのは、少し小柄だが内野を守る渡辺光くん。
一日見ただけで、チームメイトからの信頼感抜群だということがわかった。
ボール拾いや用具の準備など、誰よりも早く動いており
自分のノックが終わると、休む間もなくカゴを持って外野へ走っていった。
「あれ?キャプテンどこいっちゃったの?
あ、もう片付けしてる・・・さすがだな〜」という仲間の声も聞こえてきた。
年に数校訪問していると、低い確率ではあるがこういうキャプテンに出会える。
松本監督の厳しい指導に一時はチームもバラバラになりそうだったが
渡辺くんが中心となって再び団結力を取り戻したそうだ。

 
何もかもが新品。裏は崖です・・・                バッティング練習

チームを4班に分けてバッティング練習スタート。
1つのメニューを3分間行う。この日はカーブマシンが1台にバッピが二人だった。
またバットは1キロと重たいものを使っていた。
今年のチームは秋に牛深相手に8回コールドで快勝するも、2回戦で
県準Vの専大玉名にコールド負け。創部以来、まだベスト8以上には
進出していない。この春も準々決勝でシードの千原台に1−2で惜敗。
なかなかベスト16の壁は越えられないでいる。

「2年生しかいませんし、簡単な練習しかできませんよ」と
断りをいただいていたが、この後始まったノックに釘付けになった。
外野でも投手を含めたアメリカンをやっていたが
内野は松本監督をノッカーに、捕手二人、一塁、二塁、三塁、遊撃は一人。
つまり休んでいる暇がない。
にも関わらず、たった6人相手に1時間以上ボールは飛んだ。
特に動きの激しい内野四人はすごかった・・・
晴れある内野四人衆をフルネームで紹介しようと思う。
ファースト・平岡和人くん、セカンド・山内啓資くん
サード・山川祐太朗くん、ショート・渡辺光くん。
練習開始当初から、山川くんの声が1オクターブ高く、目立っていた。
もちろんこのノックでも、その声が響きわたる。
「サ〜〜ード!!サ〜〜ード!!」
ボールへの食らいつきっぷりが最高だった。
でも失敗すると、他の選手から「なに女々しい声出してるんだよ!」とヤジられてしまう。
選手がフラフラでグッタリしていようが、松本監督のバットは止まらない。
段々とボールを逸らし始めてきたのが平岡くんだった。
監督に“取る気あるのか?”というようなジェスチャーをされると
負けじと「ヘイ!ノッカー!そろそろ腰にきたか!?」と強気発言。
監督、容赦なく厳しいコースへボールを飛ばしてくる。
さっきまで元気だった山川くんも足元がフラつき始めた。
「がんばれ!ゆうたろう!」と平岡くんは声をかける。
唾をごくっと飲んで山川くんも必死に声を出し、グラブを伸ばす。

 
渡辺キャプテン!後ろで見ているのはご父兄です       セカンドの山内くん!足を痛めていたけど頑張った

   
サードの山川くん。また彼の声が聞きたい   平岡くん、ナイス!

その頃、外野ではアメリカンノック中。
普通のものとは違い、外野のポール間に3回ほどボールを飛ばし取らせる。
しかもノッカーはセカンドベースと外野の間で打っているため距離が近い。
かなりの走力が必要で、こちらもヘトヘトになっている。
内野との間に立つと、グランドの温度が明らかに熱い――
気付くと、橙色の夕日が足元に色濃く黒いシルエットを作っていた。

 
外野と投手陣。「松本」くんは監督の息子さんです                  こちらもアメリカンの嵐で苦しそう・・・

内野手たちの息遣いがグランドの外にいた私のところまで聞こえてくる。
監督が時計を見て、今日の練習はおしまい。
外野手たちも手伝ってみんなで球拾い、そしてグランド整備。
まだ創部して間もないだけに、用具や設備はピカピカ。
一塁側のベンチ脇には鉄棒もあった。
さっきまで苦しそうにしていた選手たちも、次第にケロっとした顔に変わった。

野球部2期生たちは、
1期生の作った「創部、初勝利」の歴史に、今度はベスト8、
そして、甲子園出場という新しい1ページを刻もうとしている。
これから続く3、4・・・期生たちが描くストーリーも見守っていきたくなった。


3年生だけの集合写真もあり!

-------「なんかやろう」の掛け声でこんな写真たちが・・・載せていいか迷いましたが(笑)

  
アヒルな平岡くん。野球部の名物らしい・・・            インリンポーズ!誰だろう?みんな爆笑でした

帰ろうとしたところ
「一緒に写真撮って下さい」と彼がやって来た。
「??いいよー」と言うと、カメラをチームメイトに
預け、どうするかと思えば、お姫様だっこ!
初体験のことでビックリ(@@)
重くて段々顔が赤くなってきちゃったけど
どうもありがとう!!嬉しかったよ〜
恥ずかしいけど、頑張って抱っこしてくれたので 
載せちゃいます・・・名前はわからないけど
ピッチャーの子でした。がんばれ!


※サブタイトルの「歴史を創る」は学校の教育理念の一つである
 “伝統と創造〜君の個性が歴史を創る”とかけさせていただきました。

*Special Thanks  松本敏郎監督、園田松吾部長、ルーテル学院高校野球部の皆さん、
             この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!

 

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