トップ野球部訪問記500mのライバル>富士宮北

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 地元では「北高」、静岡の高校野球ファンの間では「宮北」と
呼ばれる富士宮北高校。(以下、宮北)
富士宮駅からバスで10分ほどのところに、木々に囲まれてある。
総敷地面積は東京ドーム2個分、日本の高校のなかでも2番目に広い。
そこには、全国クラスのソフトテニス部のテニスコートが6面、
サッカー部、陸上部が一緒に活動できるグラウンドもあり
それらと校舎の間には、約300mの並木道。
(この施設の凄さは学校HPを見ていただくとよくわかる→HP)
なんでも、最初は大学のために作られた敷地だったとか。

そして、一番西側に硬式野球部専用の球場がある。
私が今まで行った学校のなかでも、トップクラスの広さだ。
「でも、他の部活の刺激を受けないのがちょっとね・・・」
そう苦笑いするのは、川原誠司監督。
掛川東高校から移り4年目。
就任当初、部員はたった15人しかいなかった。
一昨年、昭和62年以来ベスト8に進出、昨夏準優勝と
着実に結果を残してきた。今では、1、2年生だけで32人の部員を抱えている。


この日は大快晴!雄大な富士と、学校を囲むように茂る木々

選手たちは9時からコンディショニングコーチの篠原俊洋さんの指導のもと
冬のトレーニングメニューを約1時間ほどこなした。
すると、左打ちの川原監督が木製バットを片手にグラウンドへ。
外野から順番にノックが始まった。
ここも、内野のボールまわしの際は、わざとワンバウンドさせていた。

三塁側の林の中を歩いていると、ホワイトボードを発見。
そこには、各部員たちによるファンにむけた決意表明のようなものが
書かれていた。
昨年は、秋の大会での結果にとても悔いが残った」と始まるある選手の文。
昨秋の県大会、宮北は初戦で静岡学園と当たった。
6回表終わって8−3とリードしていたが、その裏に5失点。
そのままお互いにゼロ行進がつづき、ついに延長12回に宮北が逆転した。
しかし、またもその裏に2失点でまさかのサヨナラ負け。
これだけではない。東部地区代表決定戦はライバル・富士宮西との対決だった。
この試合でも、終盤守備の乱れから逆転負けを喫している。

 
正面でしっかり  

「個々の力はあると思うんだけど・・・」
はっきりと浮き彫りになった“メンタル面”という大きな課題。
それを指摘するかのような光景が、この日のノックにも見られる。
連係プレーの練習のとき、ある選手がミスをすると、声を出す選手が減ってしまう。
「誰か気の利いたこと言えないのか?どうやって切り替えていくんだ?
何か言い合っていかないと、流れは変わらないんだぞ!考えろ!」
言葉のキャッチボール不足で、特に二遊間はうまくいかない。
「元気ないなぁ・・・そこは平均年齢50才か!?」
度々監督のバットは止まり、そのうち何回かは部員だけで輪になって話し合う。
お互いにちゃんと理解できているか、その再確認のためでもある。
そんなノックが午前中いっぱいずっと続けられた。


選手だけで集まって話し合う

内野で一番声が出ていたのがサードの村松俊哉くん。
164センチの小柄な1年生だが、とにかく元気。
最後に一番大きな声を出してノックを受けるシーンがあるのだが
そのときも、サードは一番乗りだった。
逆に、4人全員が最後まで残ったのがショート。
「ショートはノックしてほしくない顔してるよ」と監督。4人も苦笑い。
今度見るときには、せめて監督よりも平均年齢が下であってほしい・・・
そして、全員のノックが終わるまで、声を出している選手のなかから
なぜか「バテたー」という声が・・・ これには思わずみんな大爆笑だ。

  
「バテた」発言の森優行くんに川原監督が「おい」とお叱り  50才なショートたち・・・  


こんなふうにベンチで食べているの、初めて見ました。ナイス!

昼食をはさんで、今度はバッティング。
4ゲージ使って、2分間隔で順番でまわしていく。
監督も自らバッピ。ここでも、貴重な左投げに変身だ。
バッティングの快音が聞かれるなかに
時節「ぎゃー」とか「いーーー」という悲鳴も混ざる。
ピッチャー陣が、鈴木裕和コーチの指導のもと、下半身を中心にトレーニング中で
その一つが股関節の柔軟強化。
ピッチャー陣は写真のように、外野フェンスにへばりついて
お互いに股関節の柔軟につとめている。
後のウェイトメニューで他の部員も味わう痛みなのだが
チームは上腰回りから下にかけてを重点的に強化している。
そのせいか、どの部員も下半身はかなりがっしりしている。
もちろん、体全体のパワーアップのための体重測定も毎週日曜日に行っている。
減れば罰があるのだが、言われなくても五厘にする選手もいるという。

 
ぎゅーっと押して股関節強化中・・・                    ジャストミート

ウェイトトレーニングに励む選手たち。
近づくと、気になるようでニコニコ。必死で持ち上げる姿を撮影したいとお願いすると
がんばって上げてくれる選手がいっぱい。
カメラを意識して笑ってしまう選手もいるが、バーベルを何度も上げてくれる。
さすが2日に1回やっているだけのことはあった。
(シーズン中は週に1回)
もちろん、ウェイト場からも先ほどの悲鳴が。
選手が選手の腿の上に乗って、どんどん足を広げていきます・・・
しかし、バッティング(腰の回転)は股関節が柔らかいにこしたことない上に
ケガもしにくくなる。

その間、ピッチャー3人がブルペンで体重移動などを確認しながら軽く投げ込み。
旧チームの左腕エース・佐野雄大くんは
マウンドにのぼれば、最後まで自分が投げぬくという意志の強い子だったという。
彼を中心に、夏は決勝進出。
敗れはしたが、静清工との戦いは最終回に1点差に迫る大熱戦だった。
今年は本格派の土志田裕平くん、サイドの出口雅貴くん、1年生の増田綾人くんと
右が3人そろっている。そして、6人残ったレギュラーメンバー。
経験豊富な選手がそろい、戦力は十分に整っている。

 
ヘルプ気味だけど頑張ってくれました!                 一番右がエースの土志田裕平くん。秋より更に大きくなった感じがします

静岡学園戦の前、宮北ナインは愛鷹球場のスタンドから
宮西と常葉学園橘の試合を観戦していた。
ライバルはサヨナラ勝ちをおさめたのに、自分たちはサヨナラ負け。
痛恨の思いをもって過ごしてきたこの冬。
選手たちは、春以降の巻き返しを、あのホワイトボードの続きでこう誓っている。
その悔しさを忘れずに今年は冬のトレーニングをとても追い込みました。
追いこんだぶんコントロールの自信もつき、精神的な強さもついたと思います。
春の大会ではシードをとり、昨年の夏の結果をうわまわる甲子園に行きます!
応援宜しくお願いします。


女子マネジャー・松原さんを真ん中にしたバージョン


大騒ぎに・・・一番下の子、表情が危険です!

*Special Thanks  長田剱一郎部長、川原誠司監督、鈴木裕和コーチ、篠原俊洋さん、富士宮北高校野球部の皆さん、
             この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!

 

 

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