トップ野球部訪問記北海道あつべつ〜北海道遠征記Vol.2〜>大麻高校野球部

日本一の練習!

大麻高校野球部

 

*はじめに
普段なら、平日の夕方は約2時間程度をグランドで
残りの時間を室内での基礎トレーニングに費やすそうだが
特別に休日晴天日限定のメニューを夕方からやっていただきました。
また、36人いる部員の半数以上がスキー講習で不在。
しかし、わざわざ学校まで戻り途中から練習に参加してくれた。
本当に感謝しています!ありがとうございます!!

 大麻高校。札幌市のとなり、新興住宅街として発展する
江別市の札幌寄りにある。学校のまわりも新しい家が並び
グランド側には、区画整理中の土地が広がり、直に住宅が立ち並ぶと思われる。
「大麻」という地名だが、「おおあさ」と読む。
大曲の大と麻畑の麻を取ってついた名前らしい。
大麻は全校生徒1000人を超える普通科のみの進学校。
バスケットボール部は全国区で、この時期も体育館は優先的に
バスケ部が使う。野球部はというと、雪の積もったグランドと廊下が
メインの練習場所だ。

15時半、膝まである長靴を貸していただき雪の中を歩いてグランドへむかう。
積雪は膝下くらい。少し歩いただけでも、運動不足の私には良い運動・・・
すると、センターのほうから、ニット+ジャージ+長靴+魚屋さんのような手袋をした部員が
ボールいっぱいのドラム缶のような入れ物を片手に走ってくる。
「こんにちわ!」 元気のいい声で、小松暁監督と私に挨拶。
集まったのは講習の関係で全部で9人。
副主将を中心に円陣を組み、部訓と練習3ヶ条を叫んでから練習がスタートした。
世界一の練習を目指して、挑戦に無理はないなどなど。
面白いのが、3分で着替えるというもの。
試合後や練習後でも時間がもったいないので速やかに着替えようということだ。


これを片手(両手の子もいた)に走ってきました

事前に「大麻の冬の練習は凄い」と聞いていた。
雪の上でバッティング、ノックは当たり前というスタイル、これぞ北海道の練習だ。
道内の監督さんからも「すごいですね〜!今度見学させて下さい」とは言われるものの
「実際に来たことはない」そう。ちょっと寂しそうな小松監督である。
小松監督は高校野球界では珍しい化学の先生。
夏の時期は補習などもあり、白衣姿のままグランドに来ることもあるそう。
そんな監督を部員は「監督」ではなく「先生」と呼ぶ。

アップを終えると、1人が打撃、1人が投手、その他の選手が内野に散った。
右バッターの場合、守備陣はライト側中心、左バッターの場合はその逆。
引きつけて打つ練習というわけだが、もし引っ張ったバッティングになると
普段なら罰がくだされるらしい。
交代するほんの少しの間も、砂を詰め込んだ1.5gペットボトルを両手に筋力アップ。

 
これ、相当重いです・・・             移動もダッシュ!

バント練習では5人(4人)1グループに分かれて
サインを出す選手、投げる選手、一塁、二塁の選手、そして打つ選手とし
打つ選手は走ってくる選手とは反対にバントしなければならない。
(というか、これがバントの基本である)
守るほうも必死だ。大声でバッターを誘きよせるのだが
「もっと声出して!」と先輩から注意を受ける子もいる。
「うちみたいなチームは、こういう小技小技でつないでいくしか点取れないから」


バント練習。バッティングの時は滑らないようにと、ゲージに
干してあるじゅうたんを敷く。選手のお父さんから寄付!

大麻の名が一躍広まったのは昨春。
札幌支部予選で秋ベスト4の北海を敗り、全道大会進出を決めた。
夏も、全道初戦の松前戦で2年生エースの蘆田将太が1安打完封勝利、
打撃も鍛えられたバントを7つも決めるなどコールド勝ち、
練習の成果を思う存分発揮し、待望の全道ベスト8進出を決めた。
秋は、札幌支部予選で全道準優勝・札幌藻岩に敗れた。
しかし、小松監督は「今の2年生は意識が高い」と春以降に期待を寄せている。
あとは1年生の奮起を待つばかりだ。


照明に照らされながらバッティング。グラコン脱いでる!

18時近くなると、講習を終えた部員が続々と登場。
段々賑やかになってきた。
キャッチボールを終えると、バッティングへ。
雪の浅いファールゾーンにゲージを並べて黙々とバッティング。
この頃になると、隣で練習していたサッカー部も引き上げている。
広いグランドには打球音と部員の声しか聞こえない――
まだ、練習は続く。
今度は山積みになっていたタイヤをおろし、2人一組になって
内野全体をタイヤひき。身体の小さい子同士はちょっと大変そう。


あれ!?右の子、一人でひいてます・・・


魚屋さんの手袋は大麻の選手にとって必需品です

平らになった雪の上で始まったのはノック!
別に特別やっていただいているわけでもなく、これが大麻の普通の練習。
体育館や室内を利用した練習がほとんどの高校の中
なかなかこんな光景はお目にかかれない貴重なシーンだ。
内野と外野に分かれて、スタート。
ネックなのは、逸らしたボールを探すこと。
「え?どこいっちゃった?」「どこだー?」の声が。
探すのが大変だから、みんな必死でボールに食らいついていく。
「春になれば、溶けて出てきますけどね(笑)」
外野チームが今度はトンボを持ち出し、雪をトンボがけ。
「あれ。結構いいんじゃない?投げやすいよ」と雪トンボ好評。
雪をトンボがけするところ、初めて見ましたが効果ありなようです。


ブレてしまいました・・・よりリアルなノックを見たい方は大麻へGO!(笑)

最後は、みんながちょっと苦笑いしながらも「よーし」と気合いを入れた
ペッパー。ただでさえ動きにくい雪の上でペッパー・・・
始まったうちは良かったのだが、やはり段々と倒れこんでいく選手多数。
ここで、ペッパー中に聞こえてきた珍・名言集。
腹筋痛いー!!」・・・講習を終えたばかりの選手の叫び声
何やってるかわかんなくなってきた」・・・気合いの入らぬ声で
俺、酔ってるみたいなんだけど」・・・フラフラになりながら一言
みんなに「やばい」と言われるくらい、顔が真っ赤になっている選手もいました。

 
後方にも倒れてる子が・・・                 きついのが伝わってきます

練習が終わったのが19時過ぎ。
みんなケロっとした顔で後片付けを始めた。
確かにきつくて辛いのはわかる。しかし、大麻の選手たちはそれらを
嫌々やっている感じが全くない。
なぜなら「日本一の練習だと思って練習しています」からだ。
自分たちの練習に誇りを持って励んでいる、こういう高校は初めてだ。
和気あいあいとしたところも見受けられる。
だが、それはだらしないという意味ではない。
随所にけじめがあり、何かをごまかそうとかそういう雰囲気もない。
小松監督もあまり色々なことを言ったりはせず、選手に任せていた。
(私がいたから気を遣っていただいたと思うが)
最後に、率先して声を出していた副主将が
「守備のときに1年生にはもっと声を出してほしい」と言った。
うなずいたのは1年生だけでなく、2年生もだった。
この言葉を聞いた大麻の選手なら、恐らく次の日の練習では自然と声が出ていただろうと思う。


下は雪、背景は夜景、こんな集合写真を撮れるのは大麻だけかも!?


後ろの子に押されて松本くん転倒バージョン(笑)

※タイトルの写真はロッカーです。他にも「熱き魂を継承するものここ!」と言ったようなものも。
 あと、「魂」と書かれたきれいな習字もありました。魂が流行り?

*Special Thanks  小松暁監督、大麻高校野球部の皆さん、
             この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!

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