逆転の徳栄! 花咲徳栄高校 |
埼玉県といっても栃木県、群馬県に近いところにある加須市。
広大な敷地の中に、たくさんの体育設備。
その一番奥に野球部のグランドがある。
ネット裏には2階建てのスタンドも完備しており
守備位置、投球モーションがよく見える。
1階席からの光景 2階席からの光景
この日は午前中、半分ほどの部員がフリーバッティングをやっていた。
(午前はあくまで学校の授業の一環)
ゲージは3つ。
「行動をもっと早く!」「何でもいいから声を出せ!」と
ナインに喝を入れるのは学生コーチの宮下くん。
外野からは、
「ヒットを放れ!」「(ストライク)入ってる入ってる!見逃すな!」という
檄が飛ぶ。外野手もしっかりバッティングの様子をうかがっていた。
しかし、お昼をはさんで行われたノックでは声が出なかった。
自分以外のポジションに打球が飛んだときに、声が出ていないのだ。
岩井隆監督がそれを指摘する。更に監督の声がグランドに響く。
「自分一人でやってるんじゃないんだよ!チームプレーなんだよ」
中継せずにホームアウトを狙った守備が多かったからだ。
紅白戦を前に、ノックは30分以上続けられたが
その間、監督の口からは何度も「チームプレー」という言葉が出てきた。
監督の指示を聞く選手たち
徳栄といえば、昨春のセンバツがすぐに思い浮かぶだろう。
私は、初出場したときに、友人の応援で甲子園で見たときが
一番印象に残っているが
これまで甲子園に出たチームを、監督は「弱い」と言う。
「毎年どのチームも力は無い。練習試合でも勝てないし。
でも、不思議と“本番”と“試合の後半”に強いチームなんです」
あ〜・・・と思わず納得してしまった。
私の中では、特に下記にある夏の大会の2回戦、5回戦が印象深い。
<昨夏の埼玉県大会のイニングスコア>
2回戦
独協埼玉 000 200 000 2
花咲徳栄 010 100 001 3
3回戦
花咲徳栄 034 21 10
正智深谷 000 00 0
4回戦
西武台 000 000 0 0
花咲徳栄 100 600 / 7
5回戦
武蔵越生 100 000 200 000 3
花咲徳栄 200 000 010 001 4
準々決勝
花咲徳栄 300 000 000 3
浦和学院 100 202 10/ 6
ボール入れは「第一パン」。
12月あたりからグランドに来るようになった「シロ」という犬が
お昼時にやってきた。
お目当ては監督・部員があげるドックフード。
しかしここはしっかりとしつけ。
お手をやらせてから食べさせる。
午後の練習が始まる頃になると、この日の紅白戦のチーム作り会議が
監督と宮下くんの2人で行われる。
冗談を言い合うなど微笑ましい光景も見られた。
紅白戦で良いと思った投手がいた。
中島くんという2年生右腕。2年生にしては、体も大きく球威もある。
2年生投手も多いため、公式戦での登板はわからないが
今後、とても期待できる投手だった。
打たれてしまったけど中島くん(左) 泥だらけの生田目くん?(右)
私が今回徳栄を見に行ったきっかけは、3月末に関西と練習試合を行うという
情報を事前に聞いており
それにあわせて、私も関西へ行く予定にしていたからだ。
しかし、その前に徳栄はどんなチームなのか
しっかりと自分の目で見ておきたかった。
そして、徳栄が甲子園に出ると、必ず現地で見ていることに最近気がついた。
関西との試合は後半粘りを見せるも、2−5で敗退した。
ここで先発したのは、2年生の平野くんだった。
真っ直ぐは140キロに届くか届かないかくらいと力はあるが
追い込んでからの制球が課題なようだ。
対関西。先発した平野くん
秋はベスト4にも関わらず、今年のチームも「力が無い」と監督は繰り返した。
本番に強い徳栄を、今年も見ることができるか。
既に春季大会は始まっている。
*Special Thanks 岩井隆監督、村上直心部長、野球部の皆さん
この場をお借りして、本当にどうもありがとうございました!
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