トップアマ観戦記03夏の甲子園レポート>地方大会記

東海大浦安11-1稲毛 5回コールド

初めて千葉で野球を見ましたが、青葉の森は遠かった・・
千葉駅からバスで20分はかかりましたね。
 試合は稲毛が、浦安の2年生・鈴木洋から先制打を放つも
「点を取られても、逆転できるチーム」と大宮主将が話すように
浦安がすぐに逆転に成功した。
光ったのは捕手の阿部。打順は7番ながらも、第一打席は右前同点打、第二打席も右前適時打
第三打席は、1死満塁から走者一掃の三塁打。この一打が試合を決めた。
だが、試合後の阿部は冷静に語った。
「先発(鈴木)が毎回のようにランナーをためていて苦しそうだったから、
ラクにしてあげるためにも打ってやろうと思った」
 次の相手は昨夏準Vの中央学院。
「細かいミスがあった」と森下監督がふりかえるように、今日の試合ではディフェンス面に課題が出た。
もちろん、その目に勝利の余韻などは見受けられなかった。
余談ではあるが、監督と選手との距離が近く、監督自ら選手に話しかけるなど
試合後は和やかな雰囲気だった。
 
 「絶対無敵」大宮主将の帽子のつばの文字通り、浦安が台風の目となって千葉を熱くしてほしい。

鎌倉学園11-4山北 7回コールド

この選手の一打が無ければ、鎌倉学園も危なかったかもしれない。
4番に座る立石大輔は、久々の公式戦だった。
昨年冬に肘を痛め、復帰直後の春の大会では死球を当てられ再び戦列を離れていた。
「夏は3年間の見せば、勝つ自信はありました」
野球がやりたくて仕方なかった、そんな顔をしていた。
 復帰を祝うかのように用意されたのは、2回2死満塁の大チャンスだった。
この日二度目の打席に入った立石は、どまん中の真っ直ぐを、ライトスタンドへ叩き込んだ。
「見ながら走ってすぐにわかった。これ以上にない当たり」
練習では常に大飛球を飛ばしているというが、実は公式戦初の本塁打だった。
「何度打っても気持ち良い」と満足気に笑った。
武田監督も「4番が打ったから」と嬉しそうにふり返った。
次は前半戦山場の法政二が相手。
「これからも打ち勝つ。桐蔭の平野くんと対戦したいです」
まだまだ立石の夏は始まったばかり。試合に出られなかった分も
この夏に爆発させるつもりだ。

立石大輔
鎌倉学園3年 昨夏は6番で出場していた。
中原中3年から外野手。
満塁弾は、3日遅れのバースデーアーチでもあった。
憧れの選手は高橋由伸。
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相模原球場は駅から遠すぎ!青葉に匹敵するくらいです(-_-)
また、ファールグランドが広いのが特徴です。
それと今日、東海大浦安が中央学院に勝利!
やっぱり嬉しいです♪

都墨田工2-1朋優学院

やんちゃな男が攻守にエースを支えた。
セカンドの塚本一希は、マウンドで苦しむ左右田(そうだ)祐輔に何度も声をかけた。
「楽しんでやろう!」
1回戦こそ無安打無得点試合をやった左右田だが、
今日は毎回のようにランナーを背負っていた。
3回、先制のチャンスの場面で塚本に打席がまわってきた。
初球、1塁ランナーの森田が走った。2球目は捕手が捕逸。
何かと慌ただしい打席だったが
「自分が決めなきゃと思ってました」
5球目を中前に運び、これが決勝点となった。
 また守りの方では、8度あった守備機会を完璧にこなした。
そのうちポテンヒットになりそうな打球が半分をしめた。
「無我夢中で追い掛けましたよ(笑)」
守備は得意?との問いには、「そうでもないんですよ・・」
だが大谷監督は「なんでも器用にやる子です」と高い評価。
そして更に付け加えた。
「やんちゃ坊主な野球少年。怒られてもすぐにケロっとしてるお調子者」
取材陣が1安打完投した左右田を取り囲んでいると、「さすが左右田くんだね〜」
人なつこい笑顔で茶化していた。「24時間あんな感じです」
左右田が力投できたのも、彼の笑顔に励まされたからだろうと思った。
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塚本一希(都墨田工3年)
小柄ながら、パンチ力があり、かつ小技もできる。
50mを6秒前半で走る俊足の持ち主。
取材中は常に笑顔だった。

桐光学園9-0瀬谷 7回コールド

 先発マウンドには、背番号11・笠貫雅也がのぼった。
「制球力があり,安定している」
野呂監督の信頼のもと,笠貫は5回を無四球,自責ゼロに抑えた。
180cm,76kgという恵まれた体格ではあるが
MAXは125k程度だという。スライダーでカウントを取る
頭脳的なピッチングが持ち味だ。
監督が「良かった」と評しても
本人は「調子は悪かったです。先発したからには完投したい」と
悔しそうな表情を浮かべていた。

 新チーム結成時はエースナンバーを背負っていた。
秋の大会では参考記録ながら完全試合をしたこともある。
しかし,年が明けるとエースナンバーは望月展がつけていた。
11番は「悔しい」と思わず本音がこぼれた。
最近,横浜商大付との練習試合で先発し,負けてしまったという。
商大と当たるにはいつまで残らなければいけないのか、
わざと聞いてみると,答えはすぐに返ってきた。
「準決勝です。リベンジがしたいです」
もちろん先発して完投,勝利投手になるつもりでいる。
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桐光学園には3人の投手がいる。
カーブが武器の望月展,速球派の吉田干城
そして今日の笠貫雅也。
桐光学園の夏は,この3投手がカギを握っている。

日大藤沢7-1久里浜

 今日も日大藤沢が快進撃を見せた。
4試合で35得点を誇る強力打線。誰もが好調そうに見えるかもしれない。
1番バッターの原翔太は,ここまで7打数1安打。
一人精彩を欠いている。核弾頭としてチームを
引っ張っていかなければいけないという役割を,果たせないでいる。
この日も5打席無安打に終わった。
下位打線も好調なため,チャンスで原に打席がまわってくることも多い。
だが,2度訪れた追加点の場面で,原は凡退してしまった。
自分のところで流れが止まってしまう・・・

1塁ベース上で見せる,あの悔しそうな表情が忘れられない。
試合に勝っても,原の顔は冴えなかった。
しかし,武藤監督は原を信じている。
「いい当たりをすれば良いよと言っている。力がある選手だから」
そして,チームメイトも原の復活を待ち望んでいる。
次の相手は,横綱・横浜。
2年春からスタメンに。その経験をいかして,王者に挑む最後の夏。
このままでは終われないことを,本人が一番わかっているはずだ。

桐光学園5-4県川崎工

内竜也の長い夏は、終わった。
ここまで初戦から4試合連続完投、自責はわずかに1点。
「スタジアムに行きたい」と前日の準々決勝で完封勝ち。
バスと電車を乗り継いで帰宅した。

私立を倒すために川崎工にきた内。
2点リードでむかえた8回2死1、2塁、渾身のストレートを
右中間に運ばれた。
一時は自らの本塁打でリードしていただけに悔やまれる一球だった。
桐光の校歌を聞いている時、素直に涙が出たという。
だが内は、いつも通りの淡々とした口調でふり返った。
「悔いはないです。川工に入っていなければ、ここまでこれなかった。
楽しかった。今は3年間の思い出を皆と話したい」
川工に入って良かった、その言葉を何度もくり返した。

桐光の野呂監督は川工について
「内くんが凄いのはわかっていたが、それ以上にチームのまとまりが恐かった」
とふり返った。
内ワンマンチームに思われがちかもしれない。
しかし、激戦・神奈川で公立高校がベスト8までこれたことは
チームの結束力を証明している。
内は、最後までチームメイトへ感謝の気持ちを忘れなかった。

木更津総合4-2志学館

 「最後は一挙に3点取ろうと思っていました」
志学館・川俣幸一監督は、ベンチ裏で静かに語り始めた。
2点を追いかける志学館は、9回裏、無死1,2塁のチャンス。
代打2人が打ち取られ、1塁ランナーが盗塁失敗。
あと少しで届いた甲子園への夢は、幻となった。

延長に備え、投球練習をしていたエースの金子、
ネクストで大声を張り上げていた中島、ナインが皆、膝をつき
地に頭をつけた。―――起きあがれない。
金子は、仲間に引きずられながら整列。
閉会式のためにコーチが「さぁ!並べ!」と指示を出しても
ナインは「はい」と声をあげるだけ。体は動かない。
人目も憚らずに泣き叫ぶ姿に、報道陣が釘付けになっていた。

式が終わり、選手が続々とベンチ裏のロッカールームにひきあげていく。
会話は無い。聞こえるのは、すすり泣きと木更津総合の騒ぐ声だけ。
真ん中で女子マネが呆然と立ち尽している。
首にかけられた銀色のメダルが、空しく光っている。
この空間に入っていくのが、正直嫌だった。

勝者と敗者にこれだけの差があるのは
高校野球の決勝戦以外に無いだろう。ここで勝つか負けるかでは
天と地ほどの差がある。
特に志学館は、ノーシードでここまで勝ちあがってきた。
金子は6試合を投げぬいている。
こういう選手・チームに甲子園に行ってもらいたいという気持ちもあるが
そういうわけにもいかない。
だから敗者あっての勝者、このことを忘れないように
これからも高校野球を見ていきたいと思った。

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初出場の木更津総合。
昨夏,秋,今春の大会全て,優勝校に負けている。
昨夏は拓大紅陵にサヨナラ負け。
今日の試合も最後、「そのことが頭をよぎった」
やっとつかんだ優勝旗でもあった。

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