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高校野球の今

紙面の片隅に高校野球の記事を見つけた。明るいニュースではない。
部内の不祥事が発覚し、その処分についてだった。それを見ても、不思議と何も感じなかった。
そう思ってしまうことの、なんと恐ろしいことか……。
 「部内暴力」「喫煙」  毎年楽しく観戦している高校野球、その裏側でこんなことがあるなんて。
でも、それを普通に受け止めてしまう自分が恐い。

 このような問題に慣れてしまったのかもしれない。
夏にPL学園の暴力事件が発覚し、来夏まで出場が認められないと知った時、
多くのファンはその驚きを隠せなかった。あの名門チームが、
毎年甲子園で見かけるPLの文字が、まさかこんなことに……。

 そこから次々と発覚した暴力事件の真相を知り、
高校野球はこんなものかと思ってしまった人は多いと思う。
3ヶ月に1件は発覚する部内の不祥事。その記事を見つけるたびに「あーまたか」で済まされ、
今となっては、それが当たり前のようになってしまった。
 今年の夏、私が応援に参加した学校で、部内の金銭トラブルが発覚。
来年まで対外試合が禁止された。本当にショックだった。
他にも身近な地元の高校やプロ選手を輩出した有名校など、その数は絶えない。

 同じ高校生として、このような不祥事を起こしてしまう気持ちはよくわかる。
好きなことを我慢して、毎日練習に励み、監督や先輩の言うことには「はい」と返事をする。
だが、その道を選択したからには、ルールを守るのが当たり前である。
そのルールを守り切った時、初めて開放された気分になる。
 「俺達は3年間、よくやった」
 結果うんぬんよりも、その達成感を味わった時、
他のどんな高校生よりも充実した3年間を過ごしたことになる。

 それを見守りつづけた監督。そんな監督が部員に暴力を奮ったり、
喫煙を見逃すといった行為は、断じて許されないことだ。
学校の先生が悪いことをした子を見逃すのと一緒。
「叱る」と「暴力」とではえらい違いだ。叱られれば反省して、次に活かせばいい。
そのために監督は叱っている。では「暴力」の目的はなんだろう? 
叱るという行為を超えたものが暴力ではない。私には監督の「暴力」を奮う目的がわからない。

 そんなことがきっかけで甲子園出場の権利を失ったチームは多い。
これから高校で野球をやろうとしている中学生の気持ちはどうだろう。
部内暴力が当たり前なんだと勘違いしてほしくない。

 だから付け加えておくが、なかにはこんな学校もある。
夏の甲子園に初出場した岡山県代表・玉野光南。
アルプスでの控え部員の団結力は素晴らしく、何百人という数の観客をまとめあげていた。
あとで聞くと、100人以上の部員がいるにもかかわらず、ここ3年で退部者はゼロ。主将も2人制。

 
暗いニュースを聞くと、いつもこの学校のことを思い出してしまう。

※これは、私が某サイトに投稿した作品をそのまま載せています。

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