トップ第86回全国高校野球選手権大旗が北の大地へ〜優勝・駒大苫小牧>甲子園中のエピ

 

8月22日済美戦

深紅の優勝旗が白河をも飛び越え、北の大地に渡った。
52000の観衆のうち、ネット裏や三塁側の多くのものが席を立ち駒苫を祝福した。

去年流した悔し涙を嬉し涙に変えたかった
逆転適時打の佐々木孝介は声を震わせた。
安打の半分以上が長打だった糸屋義典は試合前「
ストライクがきたら思い切り振るだけ。
鵜久森くんにはコースをついて完璧に抑えたい
」と意気込んでいた。
最後のバッターはその鵜久森。平凡な遊飛に打ち取った。
先発した岩田聖司は何かがおかしかった。
指のマメが潰れ、手は血まみれになっていた。
それを見たナインは「燃えた」と言う。
なかでも、寮で同部屋で怪我をしたときに何度も励ましてもらったという桑島優は。
昨晩、“俺が抑えるからおまえが決めてくれ”と言われた
7回二死2塁の場面で桑島は岩田のバットを持って打席に入った。
いけ!」と叫んだ打球はセンターの頭を超える11点目の適時打となった。
昨日二度のチャンスに凡退した五十嵐大も試合前から「
甘い球を見逃さないように。
つなぎ役で上につなげたいし、打ちたい
」。
6回二死2塁。糸屋の2ランの余韻が残る中で
五十嵐はファールで7球粘った。
いつもはつなぎ役だけど、自分が決めるつもりだった」13球目を左前へ運び同点に。
会場のボルテージは更に上がった。
この五十嵐をはじめ、三塁コーチャーの刈谷太一や五厘がトレードマークの樋江井暢の声が
ガラガラだったのが印象的だった。

5試合を戦い、大会最高のチーム打率.448を残し、奪われた三振もたった15つ。
守っても失策はわずかに1つに終った。
勢いにのっていたとは言え、日大三や済美といった接戦を制すなど強さは本物だったが
選手自身も「
全国優勝できるとは思わなかった」と驚いているように
予選では発揮されなかった力が全国で爆発した。
駒苫のライバルだった道球児も「
いいところまでいくとは思っていたがまさか優勝するとは…
と信じられない様子だった。

今大会の大会歌を歌うのは北海道出身のバンド・ZONE。
また、大会で始球式をつとめたのが北海の主将・竹村貴智。
終ってみれば、北海道のための大会だったのかもしれない。

8月21日東海大甲府戦

駒大苫小牧ナインが口をそろえて言う言葉があります。
チャレンジャー精神
どの選手に話を聞いても、「
次もチャレンジャー精神で戦います」と。
そしてここにきて、次に出てきた言葉が
心をひとつにして」でした。

投手陣の疲れがピークに達している。
疲れはあると思う。でも、心の中の気迫みたいなものは
うちの投手が一番だから心配はしていない
」と控え部員も信頼している。
ある選手が嬉しさの余韻に浸ることなく言い切った。
嬉しいですが、これで終わりじゃないです。明日は済美を全力で倒したい
神宮大会で、センバツ出場の鵡川が済美に勝っており
だから僕たちも倒して優勝するんです
駒大苫小牧73人は心をひとつにして、済美に挑む(チャレンジ)。

☆五十嵐大三塁手
スタンドからは「だい」コール。
地方予選ではチャンスに強い打撃で打点を稼いだ。
そしてそのまま三塁のポジションをゲット。
背番号も大会直前に「5」に昇格した。
 春先に怪我をして5日間入院していた。「
野球がやりたくて仕方なかった。
たった5日間グランドにいなかっただけでも、すごい置いていかれた感じだった

夢中で自主練に励み、夏に実を結んだ。
 今日の試合では、2度の得点チャンスを前に凡退。流れを止めてしまった。
気持ちを切り替えて、明日は今日打てなかったぶんもリベンジしたい。
そして感動できるゲームをしたいです

アンダーシャツを着て軽快な動きを見せる2年生の目は、すでに明日を見つめていた。

8月20日横浜戦

どこが優勝しても初優勝となる今大会。
深紅の優勝旗は四国か、関東か、それとも津軽海峡越えか!?

☆千葉経大付−済美
ともに夏の大会初出場。
4年前の東海大浦安以来の決勝進出を狙う堅守の千葉経済と
春夏連覇を目指す強打の済美。
4試合でわずか4失点の千葉経済。エースの松本啓二朗は制球が良く
安定したピッチングが持ち味。彼の女房役・加藤健太は
ベンチ入り唯一の2年生だ。打は日替わりでヒーローが誕生。
7番の滝沢義康は下位ながらチャンスに強いバッティング。
対する済美はここまでエース・福井優也が3試合全て完投中。
今大会2ホーマーの鵜久森淳志と2番小松紘之の打率は6割近い。

☆駒大苫小牧−東海大甲府
道勢76年ぶりのベスト4進出を果たした駒苫と19年ぶりのベスト4の東海甲府。
昨夏、ともに初戦で敗退したチーム同士の対戦となる。
5番に昇格した糸屋義典、サイクルを達成した林裕也を筆頭に打線が好調。
岩田聖司、鈴木康仁の必勝リレーは甲子園でも健在。失策も3試合でわずかに1つだ。
東海甲府は1試合平均9得点、なかでも3番に座るキャプテン清水満の
勝負強い打撃に注目だ。エースの佐野恵太は打たれ強く、今日の試合では打っても5打点と
波にのっている。

8月17日日大三戦

駒大苫小牧には全部で6人の投手がいる。
エースナンバーをつけた岩田聖司、140キロ超左腕の鈴木康仁は
既に甲子園のマウンドに立っているが
他4人の投手も、投球練習場やベンチの前でキャッチボールをし
いつでもいけるように準備している。

背番号17をつけた樋江井暢は
1度でいいからマウンドに立ってみたい。
その時は“絶対打たせないぞ!”という強気の気持ちで投げます

ベンチでは「
声を出しすぎてガラガラ(笑)次も出すので、1日で治します」と
少しかすんだ声で言った。
南大会決勝で先発を任され、香田誉士史監督の想像以上のピッチングを見せた
2年生の松橋拓也は背番号15。
もちろん投げたい。機会があれば、鈴木さんのようなチームに勇気を与える
ピッチングをしたいです
」と胸を張った。
同じく2年の吉岡俊輔は「
岩田さん、鈴木さん二人投げて疲れもあるはず。
チャンスがあれば自分の仕事を果たしたいし、3年生のためにも頑張る
」。

☆「まんべ」
1番・桑原佳之の打席で聞こえるのは「
まんべ」コール。
まんべってなんだろう?
彼、長万部中学出身。入学したときの3年生が命名したのがきっかけなんだとか。

☆打率10割の糸屋
好リードを見せている糸屋義典。打っても何と5打数5安打の打率10割!
しかし南大会終盤では、打撃の調子が上がらず・・・
香田監督にも「
球を見逃すことくらい赤ちゃんでもできる!」と叱られ
翌日、今度は振ってみたら空振り三振。
このまま甲子園でも不振が続くのかと思いきや、快音連発。
準々決勝も糸屋のバッティングから目が離せない。

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